月の木漏れ陽亭
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小粋なルール 2
   「信心」 六  終



  冷たい風が吹く中、何も言わず、ただお互いの目を

 凝(じ)っと見ていた二人は、一体どのくらいの時が経っ

 たのだろう、ふと、

 「判った。確かに私たちもこの悔しいという気持ちだけ

 で、生きてゆこうとは思わない。言う通りにしよう。しか

 し、もしこのようなことが、万が一起こったならばその時

 こそ、容赦はしない。この世界を人間だけのものと勘違

 いするな。私たち、動物たちの世界でもあるのだ。その

 ことをよく、みなに伝えておくのだな」

 お絹はそう言い終えると、みるみる内に狸の、元の姿へ

 と変身し、すっと走って行ってしまった。与作は茫然と、

 その姿を見送っていた。





  翌朝、与作は日が昇るのと同時に、急いで一番さんへ

 と向かった。住職に昨日の、ことの次第を喋ると、

 「なるほどのう。それで、そのお絹という狸は、家も焼かず

 に立ち去ったのじゃな。ほう、そりゃ良かった。きっと、与作

 どんの真心が冷え切って、人間を信じられなくなった心に

 深く沁みたのだろうよ。狸には、一目でお主に全てを告白す

 るつもりでおったのだろう。しかし、あんな大木の下に住みか

 があったとは。わしも知らなんだ。その家族には、いけないこ

 とをしたのう。おそらく、雨の降る日も雪の降る日も、そうして

 風の強い日も、あの大きな欅の木に守られて暮らしておった

 のだろうな。それがなくなったせいで、怒り、自分たちの存在

 をも知ろうとしない人間どもに復讐するため、火を点け回って

 おったのじゃな。いやいや、このまま知らずにいたら、我々は

 とんだものを創りあげるところじゃった。善いものも悪くなってし

 まう。これに懲りて、我々も視野を広げねばならんのう。それに

 しても、与作どんの家が焼かれなかったのは、紛れもなく阿弥

 陀様が助けてくれたからじゃ」

 「はい。有り難いことで・・・」

 住職は、狸が与作の純粋な心に、自分ではなく相手を思う真実

 の心に動かされて、その涙の交渉を承諾してくれたのだろうと思っ

 た。

  
  しかし、このままではいかんと、その狸たちの住みかを寺のほこ

 らの後ろに作ってやり、お大師様の火災よけのうたをお札にし、各

 家におまつりした。





  「これで狸たちも、住みかができて、ほっとしたろう。今回、家が焼

 けただけで、死人が出なかったことに感謝して、この有り難いお大

 師様の火災除けのうたのお札に手を合わせねばのう。


  これからは、自然にも目を向け、己だけでなく、全てのものに心を

 もって動かねばならん。懺悔し、感謝し、有り難く思うようになれば、

 狸たちも何れは許してくれよう」


  住職は村人たちに言い、以来この村では、火事というものがなくな

 り、みな平和に暮らせるようになった。その内に、立派な多宝塔も無

 事建てられ、誰しもが寺へ行き、手を合わせるようになった。








 最後までお付き合い頂き、有難うございました z

 自分では、小説というより説話集のような気持ちで書いた作品です。

 稚拙極まりない話ですが・・・ o

 霊山寺は、四国遍路88箇所内の一番目の札所です。

 よく親しみを込めて、’一番さん’と呼びます。

 境内は結構大きいのですよ。

 まあ、霊山寺に関しては、別の機会にご案内できればと思います。

 この狸の説話は昔話として伝えられている話のようです。

 もっとも、住みかをなくした狸が家々に火を点けまわり、それを懲ら

 しめるために、お大師様が作ったという、火災除けのうたを戸に貼っ

 たところ、いたづらが止んだという話ですが。

 自分なりにその話を元に脚色してます。


 実は本日、日光に行っております。

 一泊旅行です RiKabag

 そのため、今日の記事は予約投稿となっております。

 なので、今日はちょっとみなさんのところへは遊びに行けませんが

 ご了承下さいませ。

 明日は何時に帰って来られるか・・・まだわかりませんが、多分

 夜でしょうが、通常通り更新&みなさんの所へお邪魔させて頂く

 予定であります 、螯rヲW、J、O

 では、行って参ります トトロ






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すべての歌に懺悔しな!! 3
   「信心」 伍




 「何て、自分勝手な! これだから、人間は醜いのだ。

 我だけで生きている。自分で終いにして欲しいだと。

 それで、己が罪を償うつもりなのか。自己犠牲で、こ

 の村を助けたという優越感に浸るつもりなのか。その

 阿弥陀様も、おまえのような人間が造ろうとしている

 多宝塔も、霊山寺も、全て焼き尽くしてくれる! 」

 「どうか、どうかそれだけは・・・。わしはどう思われて

 も構わぬ。ただ、あんたたちが、可哀想で」

 「可哀想? 今度は同情か! 」

 「そう思われてもいたし方ない。しかし、これはわしの

 本当の心だ。真実だ。いつまで経っても、どれだけ人

 間の家を焼いても、恐らくあんたの怒りは消えないだ

 ろう。それはわしの阿弥陀様を焼いても、多宝塔を焼

 いても、霊山寺を焼いても同じことだ。ただものはなく

 なり、憎む対象がなくなったとしても、あんたの怒りは

 消えず、狂い、そうして死んでゆくだろう。わしは、あん

 たたちにそんな思いはして欲しくないのだ。人間を嫌い、

 人間を貶し、嘲笑し、そして悪と思う。寺や仏像を悪の

 根源と見なし、仏までをも呪う。そんな思いなどして欲し

 くないのだ。所詮は綺麗事なのかもしれん。しかし、も

 うそんなことは忘れて、幸せになって欲しいのだ」

 「忘れる? この私たちの憎しみを忘れろと? 」

 「そうだ。’忘れる’という寛大な仏の心で、どうか接して

 欲しい。わしたちもこれに懲りて、人間同士だけでなく、

 生きとし生けるもの、花や草、木や水、動物といったあら

 ゆる総てのものに目を向け、決して同じような罪を起こさ

 ないことを誓おう」

 「人間なんぞが言う誓いを信じろと? 人間はすぐ言葉で

 反論しようとする。巧みな話術で。しかし、私たちには通

 用せぬ! 」

 「違う。これは巧みな話術などではない。懺悔の言葉です」







 次回で終わりです。

 ようやく、人間と狸との問答のような会話が終わりました。

 奇妙ですが。

 まあ。「日本昔話」のような流れで見て頂ければ・・・






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吹雪(あらし)に化身(かわ)る
   「信心」 四




  「多宝塔のせいで? いやいや、そんなことはない」

 「いいえ。それは、あなた方が知らないだけのこと。住む

 家をなくした家族が、どこかで泣いているかもしれない・・・」

 与作は、はっとした。そうか。やはり、あの洞穴。あれは、

 住みかだったのだ。

 「ひょっとしてお絹さん。あんた、あの洞穴に棲んでいたも

 のかね? 」

 「そうです。私は、あの欅の大木の下に棲んでいた狸です。

 私は、いえ私たち家族は、あなたの言う有り難い多宝塔の

 せいで、棲む家を失ったのです」

 「そうか・・・。そうでしたか。それは済まぬことをしました。し

 かし、知らなかったのです。あそこが住みかだったとは」

 「人間とは、本当に自分勝手につくられているものよ。知らな

 ければ、何をしてもよいのですか」

 「いや、そんなことはない。人間も狸も同じことだ。・・・ただ、

 本当に知らなかったのだ。だからあんたはそれを報せるため、

 住みかをとられたことを怨んで仕返しに来たのだろう」

 「そうです。ある時は老婆に化け、ある時は子供に化け、男

 に化け、赤ん坊に化け、女に化け、復讐しているのです」

 「あんたは、そうやって霊山寺に関わっている人たちをみな

 懲らしめるつもりなのかい? 」

 「そうです。私たちの怒りは、これくらいじゃ済まない。私た

 ちがやられたように、その苦しみを味あわせるために来たの

 です」

 「おお、おおう。哀れよのう、哀れよのう・・・」

 突然泣き出した与作を見て、お絹は、いや狸は吃驚した。

 「何を泣いている。今更泣いたところで、元には戻らぬ。いや、

 また住みかを見つけることなど、私たちにだって容易いこと。

 しかし、何も知らずに、ぬくぬくと生活している人間を見ると

 悔しい。そうして、有り難そうに多宝塔などを造っている。さ

 も、己が虫も殺したこともないような顔をして・・・。悔しいでは

 ないか。何を泣いている? 泣けばその罪が消えるとでも思っ

 ているのか」

 「いやいや。そうではない。知らなかったこととはいえ、自分た

 ちが犯してしまった罪は罪じゃ。ただただ、申し訳なくてのう。

 確かに、わしたちは虫をも殺したこともないような顔つきで、仕

 事しておったかもしれん。いや、そうだったろう。わしたちは、

 尊いことをしているのだと尊大になっていた。有頂天になって、

 ついぞまわりを見ることを忘れていた。何ということをしてしまっ

 たのだろう。本当に申し訳ないことをした。わしは、その罪から

 決して逃げることはしない。どうか、この家を思う存分に焼いて

 くれ。焼き尽くしてくれ。その代わり、お願いがあるのじゃ。この、

 阿弥陀さんだけはどうか、助けてはくれまいか。この阿弥陀様

 は、わしの宝じゃ。生命(いのち)じゃ。だからどうか、この阿弥

 陀様だけは助けて欲しい。そうして、もうこんなことは、わしで終

 わりにして欲しい」







 ここで切ります。

 ひじょうに中途半端なところですが (汗)

 この会話、長いので・・・

 あともう少し、お付き合い下さいませ (滝汗)






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冬色の世界
   「信心」 参





  一瞬時が止まったかのようであった与作は、ひゅうと

 いう冷たい烈風で我に返り、ええ、どうぞどうぞと女を家

 の内に入れた。女の名は絹というらしい。与作は夕飯

 に作った芋粥をさあ、これを食べれば少しは温まるだろ

 うと勧め、お絹もそれを有り難く受け取り、するすると食

 べ始めた。その食べている姿もなんと美しいことか。これ

 がまこと女、いや同じ人間だろうか。まるで狐か狸が化

 けたようじゃ。与作はお絹の芋粥を啜っている姿にうっと

 りとするが、やはりこれがもしやと思う。だが今更追い出

 すわけにもいかず、いやこれは本当なのだと考えを新た

 にして、与作はその疑いを忘れるため、よもやま話を始め

 た。

  
  「お絹さん、どこから来たんだね? 」

 「土佐です」

 「ほう、土佐からお一人で? そりゃ、大変だったろう。あ

 あ、ゆっくり食べて下さい。で、これからどこへ行くつもりで? 」

 「判りませぬ」

 「判らぬとは? 」

 「本当に判らないのです。・・・住む家を失ってしまったので、

 これからどうしたらよいのか・・・」

 「家を? それはそれは。お気の毒に。それで旅をしている

 のですな」

 「はい・・・」

 「この辺もめっきり恐くなって、いや、実は火事が頻繁に起こっ

 ているんです。それも立て続けに。それで住む家を失くしたも

 のが増えました」

 「まあ、そうですか」

 お絹は食べ終えたお碗を置き、箸をきちんと揃えてお碗の上

 に置くと、

 「ご馳走になりました。ところで、この辺に霊山寺があると聞い

 たのですが・・・」

 「ええ、ええ。ありますとも。それ、川を隔てた向こう側に。残念

 なことにここからは見えんが・・・」

 「そうですか」

 「霊山寺が何か? 」

 「いいえ。ただ多宝塔を建てているという噂を聞きましたので」

 「なるほど。ええ、その通りです。今、建てている最中でしてね。

 まだ完成するには時間がかかるが、ほれ、これを見て下され。

 すごいまめでしょう。動かそうとすると、先の方から痺れて痛む。

 今日のような寒い日は特に痛む」

 「なら、止めてしまえば」

 「そういうわけにはいかんよ。こんな有り難いお仕事をさせて頂

 いているんじゃ。本当なら、わしみたいなものには、勿体ない話

 じゃ。確かに手は酷いものだが、誇りに思っている」

 「その多宝塔のせいで、誰かが犠牲になっているとしても、あな

 たは同じように誇りを持っていると言えますか」

 与作は、突然冷たい目つきになったお絹を見て、ぎょっとした。お

 絹は、わなわなと小刻みに震えている。それは、ただ寒いだけで

 はないように見えたのだ。







 ここで、一度中断します。

 ほぼ会話文でごめんなさい・・・

 自分の文才のなさにほとほと情けなくなるばかりです。

 そして、恥ずかしいばかりです・・・







   
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ゆめのようなトゥナイト
   「信心」 弐



  さて、大木の切り倒しに成功した大工たちは、力を

 合わせ霊山寺へと運ぶ。与作も一緒に運ぼうとしたが、

 ふと欅(けやき)の大木があった下に洞穴らしきものを

 見つけた。なんだろうか、ちょっと首を傾けてはみたも

 のの、どのくらいの深さも判らず、何しろこの切り倒した

 大木を寺まで持っていかねばならぬという有り難い仕事

 があるため、それほど気にもせずに、よいせと大木を持

 ち、懸命に運んでいった。





  欅の大木を切り倒してから早何ヶ月か過ぎ、少しづつ

 ではあるが多宝塔も造られていった。与作はまめだらけ

 で握ることもできない、ぼろぼろで酷い掌を見てみた。少

 しでも握ろうと指先を動かしてみると、痺れて痛い。しかし、

 決して辛くはない。嬉しい痛みなのだ。与作はその膿んだ

 両の掌を合わせ、目を軽く閉じ、霊山寺に向かって拝む。

 今日も善いお仕事をさせて頂いて、明日も宜しくお願いしま

 すと心の中で呟き、ふと目を開けると、向こうの方で何やら

 赤いものがちらちらするのを見た。おや、何だろう、こんな夜

 に。与作は気になって、外に出て目を凝らしてみて、吃驚した。

 なんてことだ、火事だったのである。与作はすぐさまその家に

 駆けつけ、もうすでに火事に気付き、駆けつけたものたちと一

 緒に火を消す手伝いに加わった。


  しばらくして漸く火が消え、ほっとはしたものの、その焼け跡

 は酷く、ほとんど燃え尽くされてしまった。主の八介は与作と同

 じように霊山寺で仕事をしている仲間である。

 「これは、一体どうしたんだね? 」

 与作は、座り込んで茫然としている八介に静かに語りかけた。

 その声にはっと我に返った八介は、途切れ途切れに訴えるよう

 に喋りだした。

 「どうしたも、こうしたもねえ・・・。仕事終わって帰ってきて、暫くし

 たら年とった婆さんが来てな。今晩泊まるところがないから、泊め

 てくれと言われてな。わしゃ、可哀想に思えてな、その婆さんを泊

 めることにしたんだが・・・。しょんべんするんでちょっと起き上がっ

 てみたら、婆さんの姿がねえ。あれ、どうしたんだろうと思っていた

 ら、何やら焦げ臭い匂いがしてな、気が付いたら戸の傍に束ねて

 いた稲が燃えていたんじゃ。わしゃ、急いで消そう、消そうと思った

 んじゃが、火の回りが速くて、こんなになってしもうた。・・・あの婆さ

 んじゃ。あの婆さんが火を点けて逃げよったんじゃ・・・」

 八介はおいおい泣きながら、あの婆じゃ、あの婆じゃとうわ言のよう

 に、何度も何度も呟いている。


  婆さんは何のために火を点けたのか、物取りなのか。しかし、いく

 ら考えてもこうも焼けてしまっては判らない。八介は悔しそうにいつま

 でも満天の星空の下で泣き続けていた。





  八介の火事があってから、不思議なことに火事が引き続き起こるよ

 うになった。それもみな、霊山寺の多宝塔を造っているものたちだけ

 の家である。昨日は太郎、その前は彦六、その前は平次。さてさて、

 これは偶然なのか、それとも因縁なのか。村人たちはこの奇異な現

 象に、ただただ戸惑うことしかできなかった。





  ある晩、その日はたいそう風が強かった。閉め切った戸の隙間か

 ら冷たい疾風が入って来、身震いを起こすほどであった。

 「おお、今日は寒いな」

 与作は冷えた手を囲炉裏の火に翳していた。すると、とんとん、と

 んとんと戸を叩く音が聞こえた。はて、このような時間に誰だろうか、

 どなたですか? と尋ねると戸越しから女の声がした。

 「ごめん下さいまし。このような酷い風で、一晩泊めて下さいません

 か」

 若い声だった。与作は今開けますと言いながら、ふと連日起こる奇

 怪な火事事件を思い出し、これを開けてもよいものかと迷ったが、え

 えい、これも仏の思し召しと精魂を据え、戸を思い切り開けた。途端、

 与作は息をのんだ。絶世の美女とは、まさにこのような女人のことを

 いうのかも知れないと思うような、美しい女がそこにはいた。女は、申

 し訳ございませぬ。どうか、泊めて下さいと丁寧にお辞儀をする。





 長くなりましたので、一旦切ります。

 なんだか、「日本昔話」みたいな展開ですが、よかったら続きも読んで

 やって下さい (笑)







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